〜ズラ

最近何を思ったのかAmzonでポチっと『銭ゲバ』上下巻を購入しました。前からジョージ秋山の漫画を読んでみたかったのです。(今さらなぜ?)買ってから気がついたんですが暗い気持ちの時に暗い漫画かってどうするんだろう。と思いましたが、暗い気持ちにはなりませんでした。っていうか、むしろせつなすぎて泣きました。しかも読んで2日後に。初め、暗いわ〜、はやく結末知りたいわ〜って2時間くらいで読み終えました。最初は絵がデフォルメされててちょっとギャグタッチなので思ってたほど残酷じゃないな。むしろちょっとせつないじゃないか。と思いました。

 しかし!2日後にもっかい読んだらちょっとせつないどころじゃなくて、とてつもなく悲しくて(とくに終末が素晴らしいのです)感動したのです。荒削りな感じもするけどあえてな気もしてきたし、ところどころシンプルな中に上手い表現があって、わかりやすさが逆にズシンとメッセージ性を読み手にぶつけてくる感じでした。絵も昔っぽいけど(私は昔っぽい絵が好きなんですが)滑稽でよけいせつなさを呼びました。時々絵の上手さがジャマして作品のメッセージ性を弱めてしまうこともあると思うので(絵もストーリーも絡み合って最高なものが、そりゃ最高ですが)この漫画にはこの絵だと思います。舞台は70年代ですが、今の時代に通ずることもありました。(でも、これを現代を舞台にドラマ化するやり方は少々荒かったと思います。汗)

 あ〜切ない。シンプルでより表現豊かというのは、今まさに私が目指してる表現ではないか〜っと唸りながら、作者がこの作品を描いた年齢をみて27歳と知り、またも「うお〜、やっぱ昔の人すごいよ〜」と唸るのでした。やっぱり年代、テーマを特定せず良いもんはたくさん読みたいですね。

 そんなわけでせつない漫画を読んだのに感動パワーですっかり元気なわたしでした。